【スタッフコラム】業界10年、300棟以上を見てきた私が、「建売」を買った理由

はじめまして。ハウストックの叶内(かのうち)です。
現場監督として5年、住宅営業として4年。二級建築士の資格を持ち、これまで注文住宅・建売住宅・リフォーム住宅を合わせて300棟以上、実際に自分の足で見てきました。
その私が、最近どんな家を買ったか。
新築の建売住宅です。
正直に言うと、少し前までの自分なら考えられなかった選択でした。今回はその理由を、包み隠さずお話ししようと思います。いい話だけでなく、「ここは気になっている」という部分も正直に書きます。
もともとは、田舎に注文住宅を建てるつもりでした
家族構成は、私(31歳)、妻(30歳)、そして1歳になったばかりの子どもの3人です。
当初のプランは明確でした。郊外の少し田舎のほうに安く土地を買って、注文住宅を建てる。仕事柄、間取りも設備も自分で考えられますし、住宅会社の知り合いもたくさんいます。いい家が建てられる自信もありました。
スケジュールも、土地を探して、プランを練って、着工して……と考えると、入居は1年後くらいだろうと踏んでいました。
それが、あるときから考えが変わり始めます。
きっかけは、子どもが生まれてからの生活でした。買い物、病院、これから先の保育園や学校。毎日の細かい移動が積み重なると、生活の快適さは「建物の性能」以上に「どこに住んでいるか」で決まる部分が大きいと、身をもって感じるようになったんです。
そこで視点を変えて、中心部の物件も見てみることにしました。ネットで20棟以上をチェックし、実際に見学に行ったのは3棟ほど。
結果、東根市の中心部にある新築建売住宅を購入しました。価格は2000万円台後半。完成済みの物件です。
本格的に検討を始めてから決断するまで、1か月ちょっと。契約から引き渡しまで含めても2か月半でした。1年後の入居を想定していたのが、一気に短縮されたことになります。
理由その1:単純に、お得だった
まず、お金の話から。
もし同じ場所で注文住宅を建てようとしたら、どうなっていたか。中心部の土地ですから、土地代でおよそ1000万円。そこに私たちが望む家を建てるとなると、建物で2500万円前後はかかったはずです。合計で3500万円。しかもこれ、外構工事や諸経費は含んでいません。
それに対して、購入した建売住宅は2000万円台後半。
この差は、決して「安かろう悪かろう」ではありません。建売住宅は、住宅会社が土地をまとめて仕入れ、設計や資材を標準化し、無駄なく建てることで価格を抑えています。私は業界の中にいたので、その仕組みがどう成り立っているかも分かります。
そしてもうひとつ大きかったのが、時間です。
注文住宅なら、土地探しに数か月、プランの打ち合わせに数か月、着工から完成までさらに半年。その間、家賃を払い続けることになります。今回は2か月半で引き渡しでしたから、家賃の負担も、打ち合わせに費やすはずだった膨大な時間も、まるごと浮きました。
小さい子どもがいる家庭にとって、毎週末の打ち合わせが不要になるというのは、想像以上に大きなメリットでした。
理由その2:この立地は、注文住宅では手に入らなかった
次に立地です。
- 駅まで徒歩20分
- スーパーが近い
- コンビニが近い
- 小学校まで徒歩20分
日々の暮らしを考えたとき、この条件は本当に強い。買い忘れがあっても歩いて行けますし、子どもが大きくなったときの通学も安心です。
そして私がもうひとつ重視したのが、将来の売却しやすさでした。
家は一生ものと言われますが、10年後、20年後に何があるかは誰にも分かりません。転勤、家族構成の変化、親の介護。そのとき「売りたくても売れない」という状態は、家計にとって大きなリスクになります。
不動産仲介も手がけている立場から言うと、中心部の物件は、やはり売りやすい。これは「もしものときの保険」を持っているのと同じことです。
敷地についても触れておきます。うちは北側道路で、敷地は75坪。北道路は「日当たりが悪いのでは」と敬遠されがちですが、実はメリットも大きいんです。
道路から建物までの距離が取れるのでプライバシーを確保しやすく、南側をまるごと庭として使えます。うちの場合、南側の隣地に建っているのが新築の平屋だったため、日当たりも遮られません。
つまり、南側に広くて明るい、しかも人目を気にしなくていい庭がある。
これは本当にラッキーでした。
理由その3:譲れない条件が、ちゃんと揃っていた
私には、どうしても譲れない条件が3つありました。
- バーベキューができること
- 18帖以上のLDK
- 周辺の雰囲気(これは完全に直感です)
1つ目、笑われるかもしれませんが本気です。庭で家族や友人とバーベキューをするのが昔からの夢で、これだけは絶対に叶えたかった。南側の広い庭は、まさに理想そのものでした。
2つ目のLDKの広さも、子どもが遊び回れるスペースとして外せませんでした。
3つ目の「雰囲気」は言語化しづらいのですが、これも大事です。街並み、道を歩いている人の様子、近所の家の手入れ具合。何百棟も見てくると、この直感はけっこう当たります。
ちなみに、最終的な決め手は何だったか。
妻が「ここが買いたい」と言ったことです(笑)。
これは冗談ではなく、本質的な話だと思っています。家を建てるとき、一番長く家にいて、一番その空間を使うのは誰なのか。そこを外すと、どれだけスペックの高い家でも幸せにはなれません。
長期優良住宅だったことで、変わったこと
購入した物件は、長期優良住宅の認定を受けていました。
実際に住んでみて、何が変わったか。正直にお伝えします。
住宅ローン控除については、思ったほど大きな差にはなりませんでした。一方ではっきり効いたのが次の3つです。
- 地震保険の割引
- 固定資産税の軽減期間の延長
- そして何より、安心感
3つ目が抽象的に聞こえるかもしれませんが、これが一番大きいです。長期優良住宅の認定を取るには、耐震性・省エネ性・劣化対策など、いくつもの基準をクリアしなければなりません。つまり、第三者のチェックを通過している家だということ。
「安いけど、造りは大丈夫なの?」という建売住宅への不安に対して、これ以上分かりやすい答えはないと思います。
正直に言います。気になるところは、いっぱいあります
ここからは、あえてマイナス面の話を。
収納が少ない。 これは住み始めてすぐに感じました。ただ、1階に洋室があるので、そこを収納代わりに使うことで何とかなっています。
外観デザイン。 プロの目で見ると、「自分が設計するならもう少しかっこよくできたな」と思う部分があります。
バルコニー。 うちには2階にバルコニーがあるのですが、正直なくてもよかった。その分、室内を広くしてほしかったというのが本音です。
こうして並べると不満だらけに見えるかもしれませんが、私の中ではこれらは優先順位で言うと10番目くらいの項目でした。
そして何より、アイデア次第でどうにでもなる部分なんです。収納は工夫できる。外観は外構や植栽で印象が変わる。バルコニーは使い道を考えればいい。
家に100点はありません。自分にとって上位1〜3番目の条件が満たされているなら、10番目が外れていても、その家は「買い」です。
逆に、絶対に妥協しなかったライン
では、何を絶対に譲らなかったか。
住んだ後を具体的に想像して、家族のストレスが増えたり、暗い気持ちになったりしないこと。
これだけは、時間をかけて本気で想像しました。
朝起きて、どの窓から光が入るか。子どもが走り回る動線はどうか。冬、雪かきをどこからどう始めるか。買い物袋を抱えて玄関に入るとき、無理な動きが発生しないか。10年後、子どもが友達を連れてきたときにどうなるか。
ここでモヤッとする点があれば、どんなに条件が良くても見送るつもりでした。
家は、毎日過ごす場所です。「ちょっと不便だけど我慢できる」を積み重ねると、それは何十年分のストレスになります。逆に言えば、ここさえクリアしていれば、細かい不満は暮らしのなかで乗り越えられます。
300棟見てきた私が、建売で必ずチェックする場所
せっかくなので、実務的な話も。私が建売住宅を見るとき、必ず確認するのは「後々、問題が起きないか」という一点です。
具体的には、
- 屋根の雪の落ち方。 山形では絶対に外せません。落雪が隣地に向かっていないか、玄関やカーポートの上に落ちる設計になっていないか。ここを見落とすと、毎年冬に頭を抱えることになります。
- 耐震性。 基礎の状態、構造の考え方。図面と現物が合っているか。
- 外構工事の計画。 建売は外構が最低限のことも多いので、「ここにカーポートは建てられるか」「駐車は本当に2台停められるか」「雪をどこに寄せるか」まで含めて考えます。
建物の中だけを見て判断してはいけない、ということです。
「良い建売」と「そうでない建売」の見分け方
ひとつだけ挙げるなら、答えはシンプルです。
自分たちにとって「いい建売」と思える条件を、先に出しておくこと。
どんなにおしゃれな建売でも、間取りが家族に合わなければ意味がありません。間取りが理想的でも、冬に寒くてストレスが溜まるなら失敗です。
「良い建売」に絶対的な基準はありません。あるのは「あなたの家族にとって良いかどうか」だけ。だからこそ、見学を始める前に条件を言葉にしておくことが、何より大事なんです。
それでも、注文住宅が向いている人はいます
最後に、公平なことを言わせてください。
やりたいことをすべて叶えたい人は、注文住宅のほうがいいです。
間取りも、素材も、設備も、デザインも、細部まで自分で決めたい。そこに時間とお金をかける価値があると思える。そういう方は、迷わず注文住宅を選んでください。私もその魅力はよく知っています。
一方で、少し我慢できるご家族なら、予算を抑えて建売を探したほうが合理的です。浮いたお金を、家具や車や教育費、旅行に回すという選択もあります。
建売住宅が全員の正解だとは、まったく思っていません。
ただ、選択肢に入れてほしいんです。「情報が少ないから、なんとなく見なかった」というだけで候補から外れてしまうのは、あまりにもったいない。
私自身、注文住宅を建てるつもりだったのが、実際に見てみたら建売が自分たちにとってのベストだと考えを改めました。見てみないと、分からないんです。
まずは、何も決まっていない段階で来てください
ハウストックでは、山形県内の新築建売住宅をまとめてご覧いただけます。エリア、価格、間取りから探せますので、まずは気軽にのぞいてみてください。
そのうえで、ぜひ一度、私たちと話をしてみてほしいと思っています。
というのも、家探しで一番難しいのは、物件を探すことではなく、自分たちの条件を言葉にすることだからです。
「なんとなく広いほうがいい」「予算はこれくらい」——最初はそれで構いません。お話ししていくうちに、ご家族の理想や性格、暮らし方が見えてきます。そこが見えて初めて、「じゃあこの物件はどうでしょう」という的確なご提案ができるようになります。
ですので、何も決まっていない段階のほうが、むしろ歓迎です。
条件がガチガチに固まってから来られると、こちらから提案できる幅が狭くなってしまう。まっさらな状態で来ていただいたほうが、思いがけない良い出会いにつながることが多いんです。
私たちは自社で家を建てていないので、「この物件を買ってください」と言う必要がありません。だからこそ、フラットな立場で、あなたのご家族に本当に合う一棟を一緒に探せます。
ご相談は無料です。しつこい営業もしません。
300棟以上を見てきて、自分でも建売を買った人間として。山形で家を探すすべての方に、まずは全部の選択肢を見たうえで選んでほしいと思っています。
お会いできるのを楽しみにしています。